【他のレンジ/シート/ブックを更新する】

1 あるレンジから別レンジを更新

2 あるシートから別シートを更新

3 逆Z式並びで更新

4 セルで指定したシートを更新

5 複数シートを連続更新

6 関数の定義と呼び出し

7 Pythonの汎用型プログラム構成

セルで指定したシートを更新

 今回は、Python-xlwingsによって、あるシートからデータを読みとり
 セルで指定した別シートへデータを書きこんでみます。


 前回は、『漢字入力帳』シートからデータを読みとり、『漢字学習帳』シートへデータを書きこみました。

 今回は、『漢字入力帳』シートからデータを読みとり、『漢字学習帳A』シート、

 または、『漢字学習帳B』シートへデータを書きこんでみます。

 そこで、その準備として、Excelブック内に、『漢字入力帳』シートと『漢字学習帳A』・『漢字学習帳B』シートを

 作成しておきましょう。

 Pythonプログラムファイルを保存しているフォルダ内に、

 前回使用した『ワークブック830.xlsx』をコピーして『ワークブック841.xlsx』を作成します。


『ワークブック841.xlsx』
『漢字入力帳』シート
Img9_3_11
『漢字学習帳A』シート
Img9_3_12
『漢字学習帳B』シート
Img9_3_13

 書込ワークシートとして『漢字学習帳A』シートと『漢字学習帳B』シートの

 どちらのワークシートに何を書き込むかを予め決めておく必要があります。

 書込ワークシートをどのシートにするかを決める方法は何通りもありますが、

 今回は、『漢字入力帳』シートのK列に書込ワークシート名を予め記入しておき、

 Pythonプログラム実行時に問題番号毎にそれを読みとることにします。

 Pythonプログラム『PXS8030.py』をコピーして、Pythonプログラム『PXS8040.py』に名前を変えます。


 オブジェクト生成部・定数部を改修します。

Excelファイル『ワークブック841.xlsx』をメモリ上に読みこみWorkbookオブジェクト『wb』を生成

定数『書込ワークシート列』に『11』列目を代入

import xlwings as xw

wb = xw.Book(’ワークブック841.xlsx’)

 

書込ワークシート列 = 11

 

 

 


 処理部を改修します。

読取行のカウントアップのループの中で、

『漢字入力帳』シートの書込ワークシート列(11列)の書込ワークシートを変数『WSheet』に格納

『wb』のExcelシート『WSheet』を読みこみsheetオブジェクト『Wst』を生成

WSheet = Est.range(読取行, 書込ワークシート列).value

Wst = wb.sheets[WSheet]


 【ソースコードパネル】

# PXS8040.py

import xlwings as xw

wb = xw.Book(’ワークブック841.xlsx’)

Est = wb.sheets[’漢字入力帳’]

読取問題番号列 = 1

読取列 = 2

最大枠数 = 4

漢字最小列 = 3

漢字最大列 = 6

書込ワークシート列 = 11

読取最小行 = 2

# Wst = wb.sheets[’漢字学習帳’]

最大列 = 10

書込列数 = 5

書込ステップ列 = -2

書込問題番号最小行 = 1

書込ステップ行 = 15

 

読取最大行 = Est.range(Est.cells.last_cell.row, 2).end('up').row

# ===== 読取行の最小行から最大行へのループにより読取行をカウントアップ =====

for 読取行 in range(読取最小行, 読取最大行 + 1):

WSheet = Est.range(読取行, 書込ワークシート列).value

Wst = wb.sheets[WSheet]

問題番号 = Est.range(読取行, 読取問題番号列).value

書込問題番号行 = int((問題番号 - 1) / 書込列数) * 書込ステップ行 \

+ 書込問題番号最小行

最小行 = 書込問題番号行 + 1

列番号 = 最大列 + ((問題番号 - 1) % 書込列数) * 書込ステップ列

列英字名 = Wst.range(1, 列番号).get_address \

(False, False).replace("1", "")

枠領域 = 列英字名 + str(書込問題番号行)

Wst.range(枠領域).value = 問題番号

Wst.range(枠領域).api.Font.Size = 10

txt = Est.range(読取行, 読取列).value

最大文字数 = len(txt)

# ===== 文字列の先頭文字から最終文字へのループにより位置インデックスをカウントアップ =====

for 位置インデックス in range(0, 最大文字数):

行番号 = 最小行 + 位置インデックス

Wst.range(行番号, 列番号).value = txt[位置インデックス]

# ===== 漢字列の最小列から最大列へのループにより漢字列をカウントアップ =====

for 漢字列 in range(漢字最小列, 漢字最大列 + 1):

漢字名 = Est.range(読取行, 漢字列).value

if 漢字名 is not None:

位置インデックス = Est.range(読取行, 読取列).value.find(漢字名)

if 位置インデックス >= 0:

行番号 = 最小行 + 位置インデックス

列英字名 = Wst.range(1, 列番号).get_address \

(False, False).replace("1", "")

枠領域 = 列英字名 + str(行番号)

Wst.range(枠領域).api.Borders.LineStyle = 1

Wst.range(枠領域).value = ""

ふりがな読取列 = 漢字列 + 最大枠数

ふりがな名 = Est.range(読取行, ふりがな読取列).value

if ふりがな名 is not None:

ふりがな列 = 列番号 + 1

列英字名 = Wst.range(1, ふりがな列).get_address \

(False, False).replace("1", "")

枠領域 = 列英字名 + str(行番号)

Wst.range(枠領域).value = ふりがな名

Wst.range(枠領域).api.Font.Size = 8

Wst.range(枠領域).api.HorizontalAlignment = -4131

Wst.range(枠領域).api.Orientation = -4166

Wst.range(枠領域).api.ShrinkToFit = True

 それでは、このPythonプログラムを実行してみます。


『ワークブック841.xlsx』
     _ 『漢字学習帳A』シート
Img9_3_31
『ワークブック841.xlsx』
     _ 『漢字学習帳B』シート
Img9_3_32

 『漢字入力帳』シートに用意した10問の漢字文字列が、文字分割されて

 『漢字学習帳A』シートに1~5問、『漢字学習帳B』シートに6~10問が書きこまれました。